大学という斜陽産業 -194ページ目
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バレンタイン・デー

今日は雑ネタです。

今日、2月14日は、バレンタイン・デーです。会社勤めの経験はないのですが、会社では職場で女性陣が男性陣に義理チョコを配る、というような話を聞きますが、大学、特に私立大学の教員は、義理チョコのおこぼれにあずかることはありません(事務職員同士は知りませんが)。別に欲しいわけではないけど(と、見栄を張ってみる)。

特に私立大学だと、この時期、講義がありませんから、高校や中学のように学生もキャンパスにはほとんどいません。講義があったとしても、学生が義理チョコをくれるような人気者ではないので、関係ないことこの上なし、です。

そういえば、学生時代、コンビニでバイトをしていたのですが、3月14日の朝に、あわてて生徒さんへのお返しを買いに来ていた近所の小学校の先生のことが思い出されます。単価は小さいとはいえ、20個以上買っていったのです。あのころは、(今が裕福ではないけれども)、貧乏生活を送っていたので、結構大変だなあ、と思ったのでした。

しかし、貧乏生活とはいえ、銭金に出てる人たちにはかないません。あれはすごい。

合否判定の謎

今日は、入試の合否判定について、個人的な疑問を書きたい。

まずは、真面目な話から。

入試の合否判定は、通常、各学部の教授会の承認を必要とする。もちろん、原案は入試委員会みたいな学部内組織がつくる。その際には、過去の歩留まり率などを勘案して、必要な合格者数を決めるわけである。そう、合格点が先にあるのではなく、合格させたい人数から合格点が決まる訳である。そしてこれはもちろん、一種の賭である。

歩留まり率は毎年変わるので、当たれば良いが、はずれると大変である。予想より低い場合は、定員割れとなる可能性があるので、冷や汗もの。では、逆に高い場合は良いのかというと、文部科学省が文句を言うので、これまた困ったことになる。

ちなみに、文科省は、定員の1.2倍ぐらいまでは許容すると言われている。 九州の某大学は、そんなことはお構いなしに、定員の数倍もの入学者を確保し、補助金等のしがらみを一切断って、我が道をいっている。しかし、通常は補助金等を受けるために、お上の言うことを聞くことになる。でも、そんなこと言ったって、定員割れした場合に助けてくれるわけではないのだから、ハイハイっていうことを聞いていれば良いって訳じゃないのだけれど。

で、次に個人的に???となる話。

まあ、これは大学教員ってやつがいかに経営感覚がないというか、自分たちの給料がどこから出ているのかを認識していないっていう話である。 上で、合否判定は教授会の承認を必要とする、と書いた。ここが曲者なのである。そのときに、いろんなことを言い出す人たちがいる。例えば、

①自分の大学の現状を認識していない(敢えて目を逸らしている?)のか、うちの大学はもっとレベルが高いのだから、合格点をもっと上にしろと言う人

②もっと入学者のレベルを上げないと教育できないと言う人。

いずれも、合格者の人数を少なくすることになる。これは、言い換えるならば、授業料収入が少なくなることを意味する。某保険会社のコマーシャルではないけど、「よ~く考えよう」である。自分たちの給料は、授業料が主要な源泉である。それを少なくしてくれ、と言うのである。じゃあ、その分自分の給料は返上します、とは決して言わない(言ってもそうはならないだろうけど)。民間だったら、売上が減って利益が減ると(厳密には、売上が減ってもさらに費用を減らせば、利益が増える場合もあるけど)、ボーナスなどがカットされることになるのに。

こんなことを書くと、自分の専門がだんだん絞れてきてしまいそうで怖い。

②の方は、さらに問題は深刻である。「満足のいく教育ができない」という主張は、一見聞こえが良いが、よ~く考えると、「私は教育能力が低いです」と言っているのと同じである。じゃあ、教員止めろよ、って言いたいものだ。で、そういう人に限って「私は教員ではない。研究者だ」って言うに決まっている。確かに研究者であるのが大学教員の特徴でもあるのだけれど、大学は我々の研究だけに対して給料を払っているのではない。大部分は教育に対して払っているはずだ。そう、大学にとって役に立たない人間を雇っていることになるわけだ。

もちろん、自分は教育力が高いから平気だ、なんて言いたい訳ではありません。

最後に、同業者の方(もし読んでいたらですけど)。こんな事書いていても、自分は経営側にいる訳ではありませんから

志願者数

大学冬の時代と言われ出して久しい。全入時代も目前で、いわゆる上位校は人気もあって受験者を十分確保できるし、入学者の質も確保できるが、いわゆる下位校では、募集定員さえ志願者が集まらないケースだって生じている。

勤務先の場合、全体として、さすがに純増とはいかないものの、ここ数年、微減状態で踏ん張っている。しかし、特定の学部には、「隔年現象」というのがあって、増えたと思ったら、次の年は減るというのを繰り返している。

自分の属する学部もそうだ。去年は増えたので、みな「ヨシッ」って思ってたけど、今年はその反動で激減した。

当然といえば当然なのだけれど、特に私立大学にとっては、入学者の確保は重要である。言い換えるならば授業料収入の確保である。民間企業で言えば、売上にあたるからである。しかも、(退学者や編入学者による多少の変動はあるが)4年間の収入に影響を及ぼす。さらに、受験料収入だって大きい。

そして学内の勢力図にこれが影響するのである。民間企業でも儲かっている部門が威張っていたりするのと同じで、(大学は建前上非営利法人ではあるけれど)儲かっている学部の要求が通りやすかったりするのである。さてさて、今年の入試はまだすべて終わっていないのだけれど、最終的にはどうなることやら。

書いているのはこんな人 その1

暴露話をするかもしれないので、あまり素性が明らかになるようなことは書きづらいのですが、少しばかり自己紹介をします。

現在、某私立大学の社会科学系の学部に所属しています。担当科目は、その社会科学系の科目で、いわゆる一般教養科目ではありません。

会社の場合も、たとえ同じ業種であっても色々違うように、また、同じ会社でも部署が違えば色々と違うように大学も千差万別です。その中でも、国公立か私立の違いとか、文系と理系の違いはかなり大きな違いです。そう、あの「白い巨塔」の世界、我々の世界から見たら、全然違う世界です(医学系の知り合いも、あんな事はないと言う人もいますが)。

ちなみに、現在の勤務先(本務校)は2つめで、以前は某私立単科大学に勤めていました。現在は総合大学(文系の学部と理系の学部がいくつかある)です。会社でいえば、中小企業から大企業に転職したという感じでしょうか。ですから、裏側を見たと言っても2校しか見ていないわけですが、そこは餅は餅屋?、業界話は色々と耳にするわけで、同業者でも唖然とすることは多々あります。どれだけ皆さんの興味をひけるかは???ですが。


開設のご挨拶

 今日から、新たにブログというのを始めて見ることにしました。
 大学教員といっても下っ端の方なので、そんなに裏話はできませんし、守秘義務に触れるとまずいので、差し障りのない範囲になるかもしれません。が、酔っぱらって書き込んだ日には・・・。こうご期待!?
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